形成外科は体表(皮膚、脂肪、筋肉)の手術を専門とする診療科です。
形成外科の常勤医師がいる病院では、皮膚の病気に対して、皮膚科は手術以外を、形成外科は手術を主に担当するのが一般的です。
生活に支障があるものや、病理診断が必要なものに対しては保険診療で、整容面の改善を目的としたものは自費診療で対応させて頂きます。
皮膚の手術だけでなく、眼瞼下垂や逆さまつ毛といったまぶたの手術も、前職の埼玉医科大学病院時代に専門外来を担当しておりましたので、大学病院レベルの手術を当院で行うことができます。
当院の治療実績はこちらをご参考ください。
引っかかる、出血する、視野の邪魔になる、皮膚がん(悪性腫瘍)が疑われるといった場合に、保険適応となります。
キズあとがきれいに治るように、整容面に配慮し、手術方法を決定します。
小さく平坦なホクロや、首の小さなイボ(軟性線維腫)、顔のイボ(脂漏性角化症)などは、自費診療で、レーザー治療を行います。
成人の皮膚のしこりで最も多いのは粉瘤です。そのまま放置しておくと、大きくなることや、感染することがあるため、小さいうちに切除することをおすすめします。
また、粉瘤以外の様々な皮膚のしこり(脂肪腫、石灰化上皮腫、皮膚線維腫など)についても、局所麻酔で行うことが出来る大きさであれば、手術可能です。
陥入爪は、爪が皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態であり、保険診療で、食い込んでいる爪を切除する陥入爪手術を行います。
巻き爪は、炎症がある場合には、保険診療で、治療を行います。炎症症状がない場合には、自費診療となり、医療用の矯正クリップを装着し、治療を行います。
眼瞼下垂とは、眼瞼挙筋(まぶたを開く筋肉)がゆるんだり、上まぶたの皮膚がたるむことにより、視野が狭くなる状態です。加齢以外にも、先天性(生まれつき)、まぶたを頻回にこする、ハードコンタクトの長期使用などが原因となります。
目を開いた時に、上まぶたが瞳孔(黒目の中心)付近までしか上がらない、たるんだ皮膚が瞳孔にかぶさる場合には、日常生活に支障があるため、保険適応となります。
症状に応じて、ゆるんだ眼瞼挙筋を正しい位置に固定し直す眼瞼挙筋前転法や、二重の線や眉毛の下でたるんだ皮膚を切除する手術、重症例では太ももの筋肉を上まぶたに移植する筋膜移植法を行います。
人の見た目に大きく関わる部位であるため、保険診療であっても、なるべく自然な結果になるように、整容面に配慮し、手術を行います。
二重まぶたを希望する場合や、軽度の皮膚のたるみ(少しまつ毛にかかる程度)、軽度の眼瞼下垂(瞳孔にかぶさらない程度)の場合には、自費診療で、埋没法や切開法(+皮膚切除、+挙筋前転)、眉下切開法といった手術を行います。
逆さまつ毛は、外向きに生えるはずのまつ毛が内向きに生えている状態で、特に下まぶたに多いです。
まつ毛を抜きながら経過を見られていることも多いですが、当院では手術をおすすめしております。
若年者の逆さまつ毛は、加齢とともに症状が改善することが多いですが、まつ毛によって角膜(眼球の表面)にキズができる場合には、保険適応で、縫合法や皮膚切開法を行います。症状が軽度な場合には、自費診療で、埋没法を行います。
高齢者の逆さまつ毛は、加齢により眼瞼下制筋がゆるむことにより、まつ毛だけではなくまぶた自体が内向きになる眼瞼内反症が原因となります。保険適応で、ゆるんだ眼瞼下制筋を正しい位置に固定し直す眼瞼下制筋前転法を行います。
やけどやケガによるキズをきれいに治すため、外用薬(塗り薬)だけでなく、ガーゼやテープにもこだわり、キズの状態やライフスタイルに合わせた治療を行います。
キズからの出血が止まらないなど緊急処置が必要な場合、外来の状況によっては対応できないこともありますので、事前に電話連絡を頂けると助かります。
赤みや盛り上がったキズあと(肥厚性瘢痕、ケロイド)に対して、ステロイドのテープや注射で治療します。
キズあとの手術で保険適応となるのは、キズあとが原因で運動障害が起こる瘢痕拘縮という状態のみです。手術としては、瘢痕を切除し、Z形成やW形成、皮弁形成、植皮術を行います。
キズあとの整容面の改善を希望される場合には、自費診療で、切除縫合術や、炭酸ガスフラクショナルレーザー、ダーマペン、外用薬(塗り薬)による治療を行います。
太田母斑、ADM、異所性蒙古斑など黒や茶、青系のあざに対して、Qスイッチルビーレーザーで治療を行います。
治療回数は3~6か月ごとに、3~5回かかります。
血管腫など赤系のあざに対する治療は行なっておりません。